第6章 平穏な日々に嵐はやってくる~トド松
「あ、みんなもう来てたんだ。もしかして待たせちゃったかな?幹事なのに遅くなっちゃってゴメンね」
「あ、トッティ! ううん、大丈夫だよ~」
「よかったぁ! じゃあさっそく中入ろうか」
・・・・・・今、すごく聞き慣れた声が聞こえたような・・・
そしてすごく聞き慣れたニックネームを聞いたような・・・
いやいやいやいやまさか、まさかねぇ、よくあるニックネームだよ、うんうん、声もたまたま似て聞こえただけで、声の似た人なんて沢山いるしねぇ?
そう思いながら、みんなの最後尾に付き店の中に入り、案内された席に着く。
俯いているのであまり見えなかったが小洒落たお店だ。
普段なら絶対に入らないっていうか、入らないな・・・物怖じしちゃって。
しかも個室。ここなら多少騒いでも人に迷惑かけないね、なるほどね~考えてるぅ。
ずーっと俯いているのも失礼だし、そういうわけにもいかないので、意を決して顔を上げる。
目の前には三人の男性。
一人目、うん、知らない人。
二人目、うん、知らない人。
三人目、うん、トッティ。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・トッティーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
「ナス子? どうしたの? なんか、すごい顔になってるけど」
「へっ?! え、えぇえ? そんな変な顔してた?! ごめんごめん、やっぱちょっと緊張しちゃって~」
空笑いをしつつ、思わず目の前のトッティ、もといトド松を凝視する。
すると相手も同じような表情でこちらを凝視していた。
聞こえる~~~心の声が聞こえてくるよトド松~~~!
なんでアンタがここにいるの?おかしいでしょ、てかなんでいるの?いるの?なんで?合コンとか興味ないでしょ?なんで?ねぇなんで???
っていう声が聞こえる~~~!
いやぁ、これこれこういう事情があってさぁ、仕方なく参加してるんだよ?好きで参加するわけないでしょー?わかるでしょー?幼馴染だもんねぇそれくらいはねぇ、ねぇ~?
ちなみにここまで私もトド松も一言も発していないのであしからず。
「もしかして、2人知り合い?会ったことあるの?」
「へ、ぇ?! まままままぁ、えっとえっとえっと」