第3章 平穏な日々に嵐はやってくる~チョロ松~
「チョロ松ぅ、荷物多いねー! そんなにいっぱい買ったら重いんじゃないかなーーーーー?!
よ、よければお姉ちゃん家まで送っていこうか?!」
両手をスリスリして面倒から逃げる。
自分の口調が不本意ながらおそ松ちっくになっているように感じたがまぁいい。それどころじゃない。
休みの日に六つ子3人に遭遇した挙句説教までされるとか精神的に耐えられない!
明日元気に仕事行けない!!
とにかくごまスリで話題を変える私。
「ん? まぁ、今日はなけなしの貯金をはたいて結構買ったからね。新しいフィギュアとかノベルとか他にも色々出てたし、送ってくれるなら有難いかなー」
私のゴマすりも効き、機嫌よく片方の手で買った物の数を指織り数えながらもう一方の手で後頭部に手を回すチョロ松。
確かに両手に持ってる紙袋、よく見ると本当に中身大量で重そうだもんね。
それにチョロ松のリュックもいつもすっごい重いんだよなぁ、何入ってるか知らないけど。肩こりそう。
チョロ松は後部座席のドアを開けると荷物とリュックをドサリとおいた。
そのまま後ろに座るのかと思ったのに、チョロ松は助手席へと乗り込んでくる。
「え、こっち?」
「なに、だめな訳?」
チョロ松が助手席だと運転への突っ込みがうるっさいんだよなぁ。
とにかくいつも以上の安全運転をしながらすぐそこの松野家にさっさと送り届けてしまおう。
「別にダメじゃないです」
「そう。ありがとう助かったよ、ナス子姉〜!家まであとちょっとだけど実はずっと足が痛かったんだよね」
シートベルトに手をかけながらニコニコとご機嫌だ、これならもう説教タイムも終わるだろう。
「それで? ナス子はどこに買い出しに行く予定?」
「いつものスーパーだけど?」
「あぁ、あそこのスーパーか。じゃぁ僕も一緒に付き合うよ。どうせ暫く生きていく分を調達しに行くんだろうから量が多いだろ? 男手があったほうがいいでしょ」
つい今さっきまで足が痛いとか言ってた癖に急に男出してきたーーーーー!
折角気を使って(愚痴から逃げたかっただけだけど)送ってくって言ってるのにっ!言ってるのにぃ!