第2章 +君が愛おしい【茅ヶ崎至】
連れてこられたのは会社の給湯室で、今はあまり人が来ない時間帯
「……あぁ、もう。なんで俺が知らないところで絡まれてんの?既読ついてんのに無視られてるし」
後ろには壁、真正面には至さん。あぁ、これが壁ドンというものか。
手首は至さんの手により壁に固定されているため私には逃げ場がないらしい。
「すみません。至さん、今日遅いって言ってたし……私の事、飽きてませんよね?」
「飽きるわけないでしょ。このままいづみの家行って抱きたいくらい」
さらっと何言ってんのこの人、とか思ってしまった
「至さ……」
至さんのことを呼ぼうとしたところ、至さんは私の唇に触れるだけのキスをしてくる。
「仕事、なるべく早く終わらせるから。あとで覚悟しといて」
至さんはそう言った後で仕事に戻る
覚悟、とは。
とりあえず自分の所の部署に戻らないとな。
「お疲れ様で……ってなんですかこの書類」
私のデスクには大量な書類。
いや、私これでも部長に怒られて落ち込んでたんですよ?なんで書類増えてるんですか
「あの新人が使えなくて私達がやることになったーー。立花さん、基本は電車だっけ?あーでも茅ヶ崎さんも残業って聞いたし送ってもらう?なんなら責任もって私が送ってもいいけど」
この先輩(お姉さん)は私と至さんの交際関係を知っている。
「茅ヶ崎さんに、送ってもらえるか交渉しときます」
先輩であるお姉さんにはそう言い
『至さん、すみません。私も残業任されたので家まで送ってください』とLIMEを一通入れておく。