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甘い夢を一緒に【A3!】

第2章 +君が愛おしい【茅ヶ崎至】


仕事でミスをしてしまい上司に怒られ、気分転換に自分の通っている部署から廊下へと出る。

『ごめんね。いづみ、今日は帰るの俺より早いでしょ?先に帰ってて』
至さんからLIMEが来た。

『至さん、遅いんですか?』
遅くなきゃ先に帰ってて、などとは言わないとわかってはいる。しかし念の為、確認はしておこう

『遅くなると思う。けど、仕事終わったらちゃんといづみの家まで行くから』
最近は二人きりで話せてなかったし、せっかく今日は二人で帰れると思ったのに。

とりあえず既読無視……なんて八つ当たりじみた事をしてしまう。

「茅ヶ崎さんのバカ、」
はぁ……っとため息混じりに独り言を呟く。所詮は私の独り言、彼の耳には届いていないんだろうな。

なんでこう、仕事も恋愛も上手くいかないんだろう。
なんて考えても時間の無駄になるだけだろう

「立花先輩、悩みとか抱え込んじゃダメですよ?相談とか乗りますし」

誰だっけ。名前は思い出せないが同じ部署の後輩男性、というのは覚えている。

「すいません。悩んでたりとかはしてませんから」
いや、悩んではいるけれど。

「抱え込まないでください!それとも、社内で言えないような悩みですか?」
この人と話すのは面倒くさく思える。

「はい、立花さんはこっち」
背後から手首を掴まれ一度驚くも、聞こえた声は至さんの声で安心する。
"今度この子に手ェ出したら許さない"なんてその後輩に言う至さんは怖いというよりも頼もしかった。
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