第19章 南の島の時間
コロ先生の説明によると、高エネルギーで圧縮した膜で自分を覆い、核爆弾でさえキズ一つつける事は不可能らしい。
ただ、24時間はこの形態のままになるため、身動きがとれないらしい。
コロ先生はいつものように私達を褒めてくれたけど、私達は、どこかやりきれなさを感じ、みんな黙ってホテルに戻る。
バタ…バタ…ドサッ………。
次々に倒れていくクラスメイトたちに私は駆け寄る。
『前原君!ひなの!みんなどうしたの?!』
みんな顔が熱い。
ひなのの額にそっと触れる。すごい熱だ…。
その時、烏丸先生の携帯に非通知で電話が鳴る。
スピーカーにして会話をする烏丸先生。
電話主『やぁ、皆さん。こんばんは。カラダ中が痛いだろう?』
声は機械で変えられていて、誰だか判別がつかない。
烏丸『これはお前の仕業か?』
電話主『察しがいいな。先生は。
これは人工的に作り出したウイルスでね。治療薬もオリジナルの一種しない。
手土産はその賞金首だ。君たちのクラスの事は簡単に調べさせてもらった。
そのクラスの中に兄弟がいるだろう?その2人に1時間以内にこの島の山頂にあるホテルの最上階まで持ってこさせろ。
変な真似をしたら、すぐさまこの治療薬は爆破する。
いいな?』
それだけ言い、電話は切れた。
ガンッ……。
烏丸先生が力一杯球体になったコロ先生を机に押し当てる。
烏丸『こいつがこんな時に他の暗殺者が狙ってくるとは…。』
『私…行きます。』
渚『まぁ…。』
カルマ『俺がまぁを守る。烏丸先生、コロ先生を貸して。あと、万が一のために烏丸先生は敵に悟られないように動いて。』
烏丸『だが…。危険すぎる。』
コロ『敵の意のままに行動することが嫌であれば、考えがあります!動ける方は、汚れてもいい格好で着いてきて下さい。』