第11章 学園祭。
スタッフ『まぁさん、3番テーブルお願いします。』
私が3番テーブルに着くと、そこにいたのは…。
『やぁ、まぁさん。売り上げに貢献に来ましたよ。』
『り、理事長先生…。ご指名、ありがとうございます。』
学峯『ではさっそくですが、コーヒーとポッキー、あとまぁさんの好きなドリンクをお願いします。』
『ありがとうございます。』
私はスタッフ役のクラスメイトに注文をお願いした。
学峯『大盛況ですね。』
『浅野君とお兄ちゃんがすごくて…。』
理事長先生がチラッとお兄ちゃんと浅野君のテーブルを見る。
学峯『あの程度ではまだまだです。5分もあれば全てのメニューを注文させるくらいでなくてはね。』
まぁ心の声(いや、注文したとしても飲みきれないでしょ!)
コーヒーとポッキー、私の紅茶が運ばれてくる。
学峯『ところで指名客が頼めばポッキーを食べさせて頂けると聞いたのですが…。』
『……その通りです。』
カルマ&浅野サイドー。
カルマ『浅野君…。君のお父さんに殺意が湧きそうなんだけど…。』
浅野『あぁ…。ちょうど僕も同じ事を考えていた。』
そう言うと、俺(僕)たちは同じ方向に向かって歩きだした。
カルマ『いらっしゃいませ。お客様。この度は当店甘美の舘にご来店頂きありがとうございます。』
浅野『当店人気のポッキーはお口に合いましたでしょうか?』
学峯『おや、ここは男性客には女性の方が付くと聞いていたのだが、私の聞き間違いですか?まぁさん。』
『いや…その……。』
2人の視線が痛い…。
私は持っているポッキーを、順番に口に突っ込む。
カルマ『ッ!』
浅野『なっ!』
学峯『……。』
『ご指名頂きありがとうございました〜!』
足早に去っていく彼女を見ながら、ポッキーの甘さを噛みしめる2人と、微笑む大人がいた。