第6章 出発の朝に。
7時ちょうどにチャイムが鳴る。
『おはよー!浅野君。今日からよろしくお願いします!』
暖色系の花柄のワンピースでにっこり微笑むまぁに僕は一瞬見惚れていた。
浅野『おはよう。さぁ、荷物はこっちに。』
カルマ『おはよう。浅野君。俺すっごい眠いんだけど、誰かさんが起こすからねぇ。』
そう言いながら私を横目で見るお兄ちゃん。
浅野『なら、お前は家で寝ていればいいんじゃないか?』
カルマ『んなわけないじゃん。まぁを1人で行かすわけにいかないからね!』
浅野『フッ。では車に乗れ!』
浅野君が助手席。後部座席に私とお兄ちゃんが乗る。
カルマ『ってか、浅野君。他のクラスメイトは?』
浅野『各自向かっている。別荘で合流予定だ。』
『すごいねぇ。別荘なんて!』
浅野『大した事はない。僕が社会人になれば、父が築いた財産など米粒ほどになるだろう。』
『フフッ。浅野君らしいね。』
出発から4時間半。
私たちは浅野君の別荘に到着した。