第2章 【番外編】想いの向こう側
薙景
「いや〜、本当にありがとね」
照れ臭くて私は、手を引っ込めようとした。
けど、何故か轟君は、私の手を離そうとしない。
薙景
「轟君…?」
どうしたんだろ…?
轟
「これは……だ」
薙景
「ん?」
何言ったか聞こえなかった。
轟
「これは、俺の“本命”だ」
今度はちゃんと聞こえた……次の瞬間
薙景
「⁉︎」
私の左手の甲に、轟君の唇が触れた。
……は⁉︎
薙景
「え、あ、轟君…⁉︎」
その行為の意味が分からなくて、慌てる。
王子様みたい…とか、柄にも無く思ってしまった。