第2章 【番外編】想いの向こう側
薙景
「あー、そういや今日ホワイトデーだったね」
今朝から芦戸さん達ソワソワしてたっけ。
轟
「ああ……あのマフィン、美味かった。態々ありがとな」
薙景
「どーいたしまして」
轟君から、紙袋を手渡される。
少し重い…何が入ってるんだろ?
見て良いか聞こうと顔を上げれば、轟君のムスッとした顔が目に入る。
薙景
「?どうかした?」
轟
「……それは、アイツからだ」
アイツ?……って、まさか!
薙景
「エンデヴァーから⁉︎」
急いで中を見れば、葛餅が入っていた。
葛餅は、エンデヴァーの好物。
薙景
「嬉しい…初めてお返し貰えた」
素直に嬉しくて、自分の口元が緩むのを感じる。