第7章 機嫌のいいうちに
「一緒に住んでるんでしょ?」
「長いよね~」
「正直、カルマくんがこんなに一途だと思わなかった」
みんな好き勝手言う
お酒入ってるから、当然といえば当然なのかもしれない
「ていうか、ちゃんって結構デレデレなんだね」
「確かに、カルマくんがくっついてるイメージだったのに」
「あー・・・、普段はこんなんじゃないよ」
そう言って、カルマは右腕に絡みつくように抱きついてるの頭を撫でた
酒に弱いくせに、みんなに合わせて結構飲むから・・・
カルマはため息をつく
こうなってしまえばもうどうしようもないことも知っている
「カルマ」
「ん?」
「えへ~、呼んでみただけー」
「あー、はいはい・・・」
扱いも慣れたもので、とりあえず軽く流す
周りのみんなもそんなを物珍しそうに見ていた
「ちゃん、いいな~。幸せじゃん」
「ね~、カルマくん優しいの意外だな」
矢田と茅野がそう言い合ってる
こんなふうに優しくするのとか限定だけどね
「みんな潰れてきたし、元気な人だけで2次会とかどうだ?」
向こうで磯貝がそんなことを言ってるのが聞こえた
お酒に強い組が賛成と彼の周りに集まっていく
「あたしもいく」
が顔を上げて立ち上がろうとしたから抱きしめるようにして押さえつけた
「ダメ」
「やだ、いきたい」
「かなり酔ってるからダメだよ」
「えー、いきたいよ」
ジタジタと暴れるけど既にそれにも力は入っていない
「むー・・・」
逃れられないとわかるとおとなしくなった
「帰ろ?」
「えー・・・」
「帰ったらもっといっぱいくっつけるし」
ね、と笑いかけると彼女の頬が緩む
「じゃ、そーする」
いい子いい子と頭を撫でていると
「お前ら、早く金出せ」
イチャついてんじゃねーよ、と前原の声
思わず舌打ちしてしまった
邪魔すんなし
よく見ると、顔がいつもより赤い
なんだこいつも酔ってるのか