第2章 【第1章】こ れ は お か し い
頭を撫でられる感覚に目が覚めて辺りを見ると太陽が真上まで来ており、昼なんだと察する
上から「お目覚めですか?ぬしさま、昼餉の支度が整ったそうです」
と小狐丸の発言に、ガバッと起き上がる
『なんっでもっと早く起こさなかったの!!!絶対みんなお腹空かせてんじゃん!!』
我が本丸は出陣、遠征部隊を除いての本丸にいるやつが揃うまで食事に手をつけてはいけないと言う決まりがある
時計を見ると今は12:35分だからかれこれ35分は集まってる皆、食事を前に我慢している事だろう
小狐丸を引っ張り大広間に行くとどこからともなく腹の虫の鳴く声が聞こえる
『あの...本っ当にすみませんでした!!お待たせしました!!さぁ食べましょう!!!』
皆「「「いただきますっっ」」」と言って食事にかぶりつく
あぁ、本当にすみませんっ...
皆食べているのを確認して自分の食事にも手を付ける
お味噌汁やご飯は少し冷えたかと思ったけど燭台切や歌仙が私が目覚める数分前に温め直したらしい...
お前らっ...出来るやつだなぁっ!!
有難くお味噌汁を啜ると私の好きな具が入っていて少し気分が上がる
ふと視線を感じ顔を上げると前田と目が合う
「主君、首元虫に刺されたんですか?赤く腫れております」
そう言われバッと手鏡を覗くと確かに首元に赤く腫れている部分がある
痒くもなく、触ってみても晴れている訳でも無い...
『小狐ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!おまっ、何してくれてんの?!?!前田達の教育に悪いでしょ!!!しかもこんな見える所に!!!明日審神者会議っつったよね?!!どうすんのこれ?!?!隠せれないじゃん!!』
この狐キスマーク付けやがった!!!
「ぬしさまがよくお眠りになられていたので、つい悪戯を♪」
『「つい悪戯を♪」じゃねぇわ!!そんな可愛く言って許されるとでも思ってんの?!どんな精神してんだよっ!!すげぇな!』
「えー!!小狐丸さんずるーい!ボクだって付けたいの我慢してたのにー!」
「だったら俺っちも我慢してたんだぜ?」
乱を筆頭に狡い、自分もしたかった等と言われるけどさ...
『いやいや許した覚えねぇからな?!?!?それから小狐丸は今から遠征に行ってこい!!この事態引き起こした罰だ!!』