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ただのパンダのお引っ越し

第7章 愛があればいいのさ



逃げようと思って身を起こしたら、ちょうど後背位みたいな体勢になってしまって、伊豆くんにギュウと腰をつかまれた。

「ちょっ、ちょ、ちょーっ!」

伊豆くんはガツガツと腰を押しつけてきた。
え、マジ?こういうの、アリ?

私は腕をめいっぱい伸ばして体を前に逃がした。
すぐにズルズルと伊豆くんの元に引き戻される。

もう一度、逃げた。
今度は突き飛ばす勢いで押し寄られ、私は頭を床に打った。

ダメだ。どうやっても伊豆くんからは逃げられない。
伊豆くんは私の背の上でフゴフゴと鼻を鳴らした。

逃げられない。逃げられない。どうしよう。


その時、逃げる必要なんかある?と脳内に声が響いた。


ん?逃げる、必要、ある…よね?
え?なんで?なんでって、そりゃ…パンダだし…あれ、でも、伊豆くんなわけで。いやでも、パンダとセックスって、え…どんな感じなんだろ、パンダとセックス…。

犬とセックスした、なんて話はたまに聞く。嘘か本当か知らないけど、結構いいものだとか。

私はゴクリとつばを飲んだ。


「ねえ、伊豆くん…服、脱ぐからあ。ちょっと、待ってよ…」

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