第2章 黒霧
黒霧は焦って私から離れた。
私が黒霧を睨むと、さらに遠ざかる。
ははっ、ちょっと面白い。昔からそうだ、黒霧は私が脅かすとビビって逃げる。だからよく脅かしてたな。
零『ふふ、ごめん。久々に脅かしてみたくなっただけ。』
黒霧「心臓に悪いです」
零『心臓あんの』
黒霧「ありますよ。ほんとにこういう所は変わっていませんね。」
零『そう? あと行かないから』
朝ごはんを食べ終えて、片付けをしだす。
黒霧が後ろでなにか話しているが無視だ無視
黒霧「……ですから、ヴィラン連合に入ってください」
零『ヴィラン? 嫌だね、絶対』
ヴィランなんかになりたくない
この御時世なりたいやつなんていないでしょ
黒霧「しかし、貴方はデッドエンドの子供で、彼はヴィランです
もしやまだ…」
デッドエンドはNo.2ヴィラン。ヒーローから恐れられ、会ったら最後、殺されると言われている。
でも私にとってはヒーローだった。
零『あの人は親じゃない。師匠だ。それに…あの人はヒーローだ。
世間でヴィランと言われても、私はあの人みたいに!』
冷静に話して帰ってもらおうと思ったのについカッとなってしまった。頭では分かってるヴィランだって、でも…
黒霧「零、貴方はヴィランです。私は命令には逆らえません、連れていきます」
零『……わかったよ、着替えてくる』
諦めたわけじゃないただ面倒になった。この現実から逃げられないことに。私はどこに行っても誰かに囚われ続ける。
この個性がある限り。