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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第8章 理解が困難なアイツと私






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……と、まぁ。

決意通り、には、なったけども。



うっすらと朝の光が差し込む部屋で、窓の外からはスズメの可愛らしい声が聞こえる。

カーテンを開けたくて起き上がろうとはしてみるものの、それは叶わなくて。

喉が渇いたからお水が飲みたいのだけれど、それも出来なくて。



何故かと言うと、身体の自由が効かない程に“また”拘束されているから。



……どうしてコイツは、ここにいるんでしょうか……?



猛スピードで変わりゆく日常の中で、随分と、こんな状況にも慣れてしまってる事は、一旦置いといて、だ。

働かない頭で、ゆっくりと整理していく。



今、私をガッチリと拘束しているのは、言わずもがな。
昨夜、私の部屋に来訪なさった、暴君である。



拘束、と言った、色気のカケラもない言い方をしてしまったけれど、言い換えれば、“抱き締められている”になるのであろう、なんとも摩訶不思議な状況だ。



でも、私達の間に、そういう表現は、似合わない気がする。



だって、相手がジャンだから。

弱味を握っている側と、握られている側。



言うなれば、奴隷と君主みたいな関係で。



“抱き締める”なんて、恋愛っぽい言葉を使うには、あまりにも遠過ぎる。



それにしても……

コイツ、毎回こんな感じだなぁ。



ジャンは、毎度の事思いっきり私を包み込むかのように拘束して、眠る。

まるで抱き枕扱い。



ぎゅう。と強く、でも苦しくはない程度に優しく。

隙間なくジャンに包み込まれているこの状態は、不思議と悪くはなかった。



……捻くれた言い方になってしまうのは、相手がジャンだからだ。



お互いの鼓動や熱が、触れ合う距離。

あったかくて、何だか、守られているような気さえ、した。



まぁ、今日は服を着ているから、こんな悠長なことが言えるのかも知れない。

現に、初めて体感した時は、混乱しすぎておかしくなりそうだったわけで。

冷静でいられるってスバラシイ。



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