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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第20章 ※アイツと私の特別な休日





時刻は5時を回っているだろうか。

寂しいカラスの声と共に、足は何故か昔ジャンに教えて貰ったお店に来ていた。

コロネ、サンド、コッペパン、そして日持ちのいいフランスパンを次々にカートに入れて行く。

きっと、ハンジさんもモブリットさんも、あの様子じゃまともにご飯を取ることは出来ないだろうと思って、どんどん追加したら、結構な量になってしまった。



「あと、は。」



フロア内をふらり、気ままに歩いて。

この前ジャンが買って来てくれた、凄く美味しかったサンドイッチを発見し、それもカゴへ。

食べた事のないたくさん種類があるトレーの前で、色々思案してから、また一つ選んだ。




既にカゴはズッシリと重い。

三人分、それ以上入っているから、余計に、だ。



これ以上は持てないと判断し、料金所へと向かった。



財布から出したのは、申し訳ないけど、モブリットさんに渡されたお金。

何やら手間賃も含まれているという。



両手に大きな紙袋を持って、大荷物状態になりながら、店の外に出た。



ざあっ、という音が響いて、街路樹の葉がヒラリと舞った。

秋から冬へと変わるこの季節にしては、冷たい風が吹き抜ける。



……もう、秋も終わっちゃうな。



しみじみ実感し、早くなった日暮れを思う。

そらはもう、茜色に染まっていた。



「どんだけ買ってんだよ。つーか一人か?珍しいな。」

「えっ、ジャ、ジャン?!」



驚きの声を上げる私に、ジャンはしれっと言った。



「それ以外に誰に見えんだよ、馬鹿。」



……突然現れて、この物言い。

うん、そうですよね。

あなたは"オレ様"のジャン様に間違いない。



って、問題はそこじゃなくて。



「何してんの?」

「荷物持ち。」

「じゃなくて!なんでここにいるのって聞いてんの!」



私の当然の問い掛けに、ジャンは顔をしかめる。



「うるせぇな。通りかかったんだよ。」

「そっか。今日は兵団の任務もないしね。」

「……ここのパン屋」



ジャンは顎で私が今出てきたばかりのパン屋を指した。



「街でた時にたまたま見つけて、お前の部屋持ってく時に何回か来てんだよ。」

「そー……なんだ。」



そんな事、聞いてはいた。

美味しいって食べてたから。



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