• テキストサイズ

【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第11章 距離が縮まるアイツとあの人






ベッドで横になっている私の頭を、ジャンの手が、優しく撫でる。



……それが、昨夜の記憶の、最後。



あまりにも優しいジャンに、正直言うと、見返りが恐ろしい。なんて思っていた私。

その予想とは裏腹に、ジャンは何も要求する気配を見せなかった。



きっと、私が眠った後に、自分の部屋に戻ったんだろう。

兵団の朝は早い。
集合時間まで、そう時間はなかったはずなのに。



なのに、ジャンは最後まで私に付き合ってくれた。

自分の睡眠時間を削ってまで、側にいてくれた。



ジャンが何を考えているのか、その意図が分からない。



けど。



同じ空間にいる空気が。

隣にいてくれる安心感が。

頭を撫でる温もりが。



私を包み込むように癒してくれた事だけは、疑いようのない事実だった。



「美咲ー!」



昨夜の事を振り返りながら、黙々と作業に取り掛かっていた私を呼ぶ、ハンジさんの声。

すぐに反応して、一旦作業を止め、手招きする彼女に寄る。



「あの資料、やっぱり少し確認したいところがあるから、エルヴィン達と見てもらってもいいかなぁ?」



一瞬ドキッとしたが、すぐに平静を取り戻す。

エルヴィン団長と話すのは、別に初めての事では、ない。



アニ……

女型捕獲作戦の時にも、その後も、何度か話した事はある。

ただ、気になったのが、ハンジさんが言った、エルヴィン“達”という、複数人を表す表現。



「分かりました。」



短く答えて、ハンジさんに頭を下げる。



何故か、ジャンの方は、見れなかった。



/ 250ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp