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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第11章 距離が縮まるアイツとあの人





相手が誰なのか確かめるように、少しだけドアを開ける。



カチャリ。

小さな音を廊下に響かせて、覗いて見ると。



「は……い、って、ジャン?!」

「おま、バカ。静かにしろ。」



想像していなかった人物に驚いて、つい大きな声を出してしまった私の口元を、ジャンが塞ぐ。



……よりにもよって、何でこんな時間に来るのよ。

今日は遅くなるから無理だって、伝えたじゃない。



口に出しそうになるが、相手が相手なので、ぐっと飲み込み。

仕方なく招き入れたジャンは、もう片方の手に、ケチャップの掛かったオムレツが乗ったお皿を持っていた。



「……何?それ。」

「飯。どうせ食ってねぇんだろ?」



不機嫌そうにも見えるジャンは、いつものようにツカツカと部屋の中へ入り、まっすぐ机に向かった。



「ちょっと、ジャン?何なの?」



後ろを着いていく私に振り向く事なく、彼はお皿をコトリと机に乗せ、椅子を引く。



「食えよ。腹……減ってんだろ?」

「へ?」

「へ、じゃねぇよ。バカ。見ただけで分かれ。」



手招きするジャンの大きな手に、グイッと引かれ、身体のバランスを崩してしまいそうだった私を、ジャンが受け止める。

全くもって、事態を飲み込めていない私。



ぽかん。としたまま立ち尽くす私に、「……ったく」と呟いて、ジャンの繊細で大きな手が、私の頭をがしっと掴む。



「腹が減っては戦はどうだ、とか言うだろ?ちゃんと食って、ちゃんと寝ろ。」



ゆさゆさと頭を揺らしながら、言い聞かせるように。

私に目線を合わせて言ったジャンの言葉が、胸を打つ。



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