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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第11章 距離が縮まるアイツとあの人





整理を終えて、部屋にたどり着く頃にはもう、日付けが変わっていた。



もう少し早く終わると思っていたが、内容が難しく、かなり手こずってしまった。



もう、明日にしてしまおうか。とも考えたが、一緒に調査兵団に入ったみんなとの距離を埋めたくて、必死だった。



私も、エレンのように、直接人類の役に立ちたい。
ミカサのように、強くなりたい。
アルミンのように、策を出してみたい。
コニーやサシャのように、前に進みたい。
ジャンのように……。



悩んでも仕方がない事だと分かってはいても、そんな状況に焦っているのは事実。



自分のペースで構わないとハンジさんから言われていても、資料は山のようにあって。

一応ある程度は片付いたから、明日からはゆっくり出来る。



とはいえ、疲労感が軽減するわけではない。



「あー……疲れた。」



誰もいない部屋なのに、口に出てしまって。

身体中から力が抜けていくような気がした。



ブーツだけ脱いで、ぼふっとベッドに横になる。



……あ。
食堂寄るの忘れてた。

お腹空いてるけど、また部屋から出るのは、しんどいなぁ……。



私にしては珍しく、すっかり気力を奪われてしまった。

……やっぱり食堂に行くか。

それとも、ストレッチだけして寝るか。

上手くいかない自分の実力にイライラして、心がささくれているような気がして、不快だ。



そんな自分を癒す手段をあれこれ思案していると、小さく部屋のドアがノックされた音が聞こえた。



「……こんな時間に、誰よ?」



面倒に思いながら、聞こえないフリをする。



……だが、時間が時間だ。

何か急用でもあるのかも知れない。



……まさか、ハンジさん?

整理した書類が間違っていた、とか、ないよね……?



嫌な想像が頭を横切り、一瞬で打ち消す。



ないない、それはない。ちゃんと確認したもの。



そう結論付けて、むくりと起き上がり、部屋のドアに近付いた。



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