• テキストサイズ

【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第9章 思わぬ誘いと憧れのヒト






アニが巨人化するなんて、信じたくなくて、私は後ろから拘束する役割を買って出たんだけど。

アルミンの煙弾が打たれても、路地の外に出る事が出来なかった。



……ただ、見てた。



強い風圧と、巨人化するアニの姿を……



現実を受け入れる前に、拳サイズの石が飛んで来て、そのまま意識を失った。



……情けない話だ。

みんな必死に戦っていたと言うのに、私は意識を飛ばしていた。



ライナー達が去っていった事も、意識を取り戻してから知った事だった。



ヒストリアとエレン奪還の時に、リヴァイ班に入れてもらえなかったのも、それが一つの原因だろう。

私も同じ104期にも関わらず、なのに、でもそれは多分、私に現実を受け入れる覚悟と勇気がなかったから。



私は何も為したことが、まるでない。

小っぽけな兵士だ。



みんなが、大変だったと知ったのも、ヒストリアが王妃に即位する直前に、コニーとサシャから聞いた。



私だけが前に進めていない。

現実を受け入れる勇気があれば……

もしかしたら。



なんて後悔は遅い。



だから、ハンジさんに指名を貰った時は本当に嬉しかった。



……仕事は雑用ばかりだけれど。



「あー。そう言えば、リヴァイが美咲に明日の夜8時に、この前の店の前に来てくれってさ。」

「え?あ、はい。」

「何かなぁ?もしかすると、もしかして、デートなんかだったりして?」



ハンジさんが顕微鏡から頭を上げて、悪戯っぽく笑った事に、恥ずかしくなって、私はぶんぶんと頭を振る。

で、デートなぞ、私にはそんな響き勿体無さすぎる。

だって相手は、あのリヴァイ兵長だから。



「ちょっとした御飯ですよ。からかわないで下さい。」



赤くなった顔を見られたくなくて、私はハンジさんに背を向けて、研究結果や巨人の生態が載っている本棚の整理を始めた。



/ 250ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp