• テキストサイズ

【HQ】サンカク。

第1章 三角形 case1


時間は当たり前に進んでいく。
頭に入らなくても、黒板にある文字をノートに書き写す事ぐらいは出来た。
内容は右から左状態だったので、理解していなかったけど京ちゃん辺りに教えて貰えば問題ない。

すぐに、こんな甘えた思考になる自分に自己嫌悪した。

昼休みも、ご飯を食べる気にはならず。
机に突っ伏して過ごして、午後の授業も午前中と変わらずの状態で。
あっさりと一日の授業は終わり、放課後になってしまった。

部活の為に着替えをして体育館に移動する。
未だ怪我人の私を気遣って用意されたパイプ椅子に座り、本日のメニューが書かれたノートを確認していた時だった。

「小熊ちゃん、昨日は黒尾とデート?」

背後からの声にびくっと反応して後ろを振り返る。
楽しそうな顔をした先輩マネージャーが立っていた。

「ち、違います!」

慌てて反論しようとして、声が上擦っている。

「違うの?でも見ちゃったんだよね。小熊ちゃんが、黒尾と手繋いで歩いてるの。」

一番見られちゃいけない場面を見られてたと知った。
/ 304ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp