第2章 ‐case1‐ending.
昼食の後は、激しい乗り物は避けて遊び。
遊園地だからこその、乗り物の相談やら感想以外の話は殆どせず、夕方になった。
電話の時に、京ちゃんの名前を出して嫉妬させよう作戦は、上手くいってなかったみたいで、その話についても何もない。
今日、返事が出来なかったら、この先はどうすれば良いんだろう。
まだ曖昧な関係を続けるなんて、そんなのは絶対に嫌だ。
どうにかして、話が出来そうな場所に行きたい。
辺りを見回すと、少し遠方に大きな乗り物、観覧車があった。
「あ、あのっ!」
「…ん?」
繋いでいた手を強く握り、声を掛ける。
こっちを向いてくれたけど、顔を見る勇気は無くて、物を示すように観覧車を見た。
「あれ、最後に乗りたい…です。」
「ん。じゃ、行くか。」
頷きと、言葉でも返事があって、手を引かれる。
辿り着いた乗り場には、2つの列が出来ていて。
片方は、普通の対面で座るゴンドラ。
もう片方は、横並びで座る所謂カップルシートのゴンドラ。
「どっちがいい?」
「あ、えっと…どちらでも。」
「じゃあ、こっちな。」
これから話す事を考えてばかりで、選ぶ余裕なんか無い。
黒尾さんに任せて、片方の列に並んだ。