第2章 ‐case1‐ending.
黒尾さんが食事を買いに行っている間は、暫く独り。
園内を回っていた時は、次に乗る物の相談とかで話は繋げたけど。
ご飯中は、何を話せば良いのか分からない。
話題はバレーの事なら何とかなりそうなものの、京ちゃんからは‘会ってからは俺の話題禁止’と言われている。
嫉妬させるのは電話の時だけにしておけ、とか何とか。
電話は切れば終わるけど、一緒に居る時はそうもいからないからだそうだ。
確かに、気まずい雰囲気になったら、私の逃げ癖が発動しちゃうからな。
考え事の最中に、黒尾さんが戻ってくる。
私の目の前にハンバーガーの乗ったトレイを置いて、向かい側に座った。
さっきまでは、並んで歩いていたし、身長差もあったから、正面からは見る事が出来なかった顔。
ただでさえ、話題に困っているのに、向かい合って話が出来る訳がない。
「有難うございます。いただきます。」
「どういたしまして。召し上がれ。」
お礼を言うのが精一杯だったから、食事に集中したフリをして、会話からは逃れた。