第2章 ‐case1‐ending.
本来なら、恋人としてのデートをしてみたいけど、会ってすぐから、そんな気まずくなりそうな話題が出る訳はない。
もし、今日上手くいったら次回は恋人の初デートになるだろう。
何回も初デートがあるなんて、それはそれで嬉しいような気がするから、今回は諦めて。
恋人未満の曖昧な関係のまま、デートがスタートした。
目的地は、遊園地。
小さな頃、赤葦さん一家と行った事はあるらしいし、写真とかも残ってるんだけど、残念ながら記憶にはない。
つまり、ほぼ初の遊園地だ。
園内に入った途端、私にとっては珍しいものばかりで、興奮してきた。
「あ、黒尾さん!あれ、乗ってみたいです!」
1つのアトラクションを指差し、走り出そうとする。
だけど、手を握られて出来なかった。
「お前は、この前もそうだったが、はしゃぎすぎだ。怪我すんぞ?」
「…あ、はい。あの、走らないので、手は…離して下さい…。」
「ダメですー。迷子対策ですー。」
指先を絡めてくる、恋人繋ぎ。
私にはハードルが高すぎて、止めて頂きたかったけど、受け入れては貰えず。
その状態でアトラクションを回る事になった。