第2章 ‐case1‐ending.
翌日、いつも通りに家を出て、いつも通りの通学。
途中で京ちゃんと合流するのまで、いつも通り。
但し、並んで歩いているのに会話は無かった。
学校に着いてすぐに始まった午前中の部活は、寝不足と夏の暑さに負けて、フラフラだ。
その状態の中で、京ちゃんとは何回も目が合っていて、私の体調が悪いのは分かっているとは思う。
だけど、声掛けすら無いのは、京ちゃんが答えに気付いている事を意味していた。
思った通り、察して向こうから距離を取ってくれている。
これに甘えて、返事をしないままなのは絶対に駄目だ。
昼休憩に入ると、京ちゃんと話をしようと近寄った。
「京ちゃん、あの…。」
「さくら、ちょっとこっち来て。」
意外な事に、向こうも用事があったみたいで、手を引かれて部室に連れ込まれる。
中に入ると、すぐに手が離れて、床にタオルを敷いていた。
「さくら、顔色悪いよ。周りに迷惑掛ける前に、少しでも休んで。」
どうやら、私に寝ろと言いたいらしい。
心配はしてくれていたようだ。
でも、京ちゃんには、もう甘えちゃいけない。
首を振って拒否した。