• テキストサイズ

【HQ】サンカク。

第2章 ‐case1‐ending.


勘の良い人だとは思っていた。
だけど、電話に出たくらいで、こんなに確信したように言えるものかな。
もしかしたら、京ちゃんの電話の時は、たまたま携帯から離れていただけだった可能性とか、考えないのかな。

電話に出た以外で、分かりやすい事をした覚えが…。

「…で、だ。小熊は、俺との初デート、どっか行きたいトコあるか?」

あった。
黒尾さんに言われるまで忘れていた。
会いに来てくれるなんて、予想外の事が起きててパニックになってたんだ。

「…どこでも、良いです。」

何も答えない訳にはいかない。

自分から誘っておいて、行きたい場所もないなんて申し訳ないけど。
こんな状況で、それを考えるなんて無理。

「じゃ、一緒に行きたいトコ考えような。そういう話すんのも、デートの醍醐味だろ?」

同意を求めるような言葉尻の上がった声と共に、体が離された。
不意打ちのような状態で顔を覗かれて、最後の抵抗とばかりに視線だけを逸らす。

「ぶっ!顔真っ赤。」

好きなのだと自覚してしまった人に抱き締められて、デートの話とかしていたら、そりゃ顔に血も集まる。
否定は出来ないのが悔しくて、唇を少しだけ尖らせた。
/ 304ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp