第1章 三角形 case1
夏休みが始まり、すぐに入った合宿生活。
安心していた通り、2人は何かをやらかす事は無く、数日が過ぎて、最終日。
全ての練習試合が終わった後のバーベキューで、それは起こった。
2人とも世話好きという能力を持っているからか、烏野の1年生を構っていたようだったけど。
それが終わると、同時に私の元に来てしまったのだ。
いや、でも。
今は周りの目がある。
ここで修羅場は絶対にしない。
その信用は、あっさり裏切られて。
「小熊、梟谷の休養日っていつ?俺が合わせるから、この前の3人デートしようぜ?」
「アンタ、本気だったんスね。」
「本気も本気よ?だって、小熊と休養日が同じ赤葦に出し抜かれたら、たまんねぇし。」
「あぁ、そのテがありましたね。さくら、1回は黒尾さん付きで良いけど、他の休みは俺と2人で出掛けようか。」
目の前で、これが始まってしまった。
キョロキョロと、周りを見回しても、楽しそうにニヤニヤ笑っている人ばかりで助けてくれそうにない。
それなら、早めに話を終わらせる為に、約束を確定させるしかなくて話を進めた。
この、3人デートの日。
私の気持ちを確定させる事になるとは、この時は微塵にも思っていなかった。