第1章 三角形 case1
誕生日以来、京ちゃんの攻めが激しくなった。
今まで、私が気まずくて避けてたから、攻めてこなかったけど。
あの日、普通にお喋り出来たから、大丈夫だと判断してしまったようだ。
家にまでは迎えに来ないけど、偶然の顔をして登校ルートで待ち伏せしているし。
帰りも、家までは送らないけど、方向が同じだという理由で途中まで一緒に歩く。
なんだか、更に微妙な関係になってしまった気がする。
それでも、京ちゃんの方は気にしている素振りが無いから困りものだ。
そんな中で迎えた週末の合同合宿。
私は音駒のお手伝いをしながら過ごす事になっている。
京ちゃんと黒尾さんは、互いに空気を読むタイプだから、周りの目がある合宿中に修羅場を起こしたりはしなかった。
それには、2人の大人な部分に感謝をして、この合宿は無事に終了。
これなら、夏休みの長期合宿でも大丈夫だろうと、勝手に思い込んでいた。