第1章 三角形 case1
‐黒尾side‐
数日前、赤葦から突然の連絡があって、一瞬ヒヤッとしたのを覚えている。
あの平坦な声で、さくらと付き合う事になりました、なんて報告されたら、どうしてやろうかと、マジで思った。
だが、その内容は小熊の事ではあったものの。
俺にとっては、知りたかった、都合の良い情報で、なんで教えてくれんのか、不思議だった。
勿論、疑ったが。
そう思うなら聞き流して下さい、とか言い残して電話は切られた。
ここに来ても、まだ信じる気持ちは半分程度で。
だからって、赤葦情報だと吐いて違っていたら、嘘をついた京ちゃん、のレッテルが赤葦に貼られる事になる。
ただでさえ最近は避けまくってるらしいのに、それはあまりにも哀れだ。
俺に哀れまれたくなんかねぇだろうけどな。
まぁ、結果としては真実だった訳で。
待ちに待った小熊の恋愛解禁デーを、3人で祝う事になった。