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【HQ】サンカク。

第1章 三角形 case1


玄関先での押し問答。
何回聞いても、愛の力としか答えてくれない。

もう、その愛の力とやらを信じてしまおうと思った時だった。

「31分の1を的中させたくらいで、愛とか言わないでくれます?」

後ろから、京ちゃんの声が聞こえてくる。
ここから先、嫌な予感しかしない。

足音が近付いて、私の真後ろで止まる。

いよいよ、修羅場の開始かと、諦めが頭の中を過った。

「それに、俺が教えたんだから間違っている筈が無いでしょう。」
「赤葦の事だから、嘘吐いてる可能性も考えたんだよ。聞いてて間違うのと、予想が外れんのじゃ、全然違うだろ。」

だけど、話の内容は驚くべき事実だけで。
お互いに牽制している感じはしない。

「あ、えっと?京ちゃんが?なんで?」

2人の顔を交互に眺めて、今一番の疑問を口に出した。

「誕生日を祝うなら、俺1人より、黒尾さんも居た方が良いでしょう?
今日は、争う気はないよ。さくらの誕生日の思い出、悪いものにはしたくない。」

確かに、京ちゃん1人の相手をするのは、気まずい感じしかしてなかった。

今日は、私の為に休戦してくれるようだし。
安心して、黒尾さんにも上がって貰った。
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