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私の妖精アカデミア【更新停止中】

第12章 敵との遭遇


授業が終わり、今はお昼時。
私と出久君、天哉君、お茶子は食堂に来ていた。

無事に限定メニューを確保出来たお茶子はウキウキ気分で食事している。まるで新しいおもちゃを買って貰った子供のようだ。

私はそれを微笑ましく思いながら、男子二人の会話に相槌を打っていた。

「いざ委員長をやるとなると務まるか不安だよ……」
「大丈夫さ」
『天哉君の言う通り。自分に自信を持って。人を導くような事を経験した事が無いから不安になっているだけだよ』
「ああ。それに緑谷くんのここぞと言う時の胆力や判断力は“多”をけん引するに値する」
『だからこそ天哉君もお茶子も、君に投票したわけだしね』

『(まぁ私は別の人に入れたのだけど)』

ちょっぴり罪悪感を感じる。別に出久君が頼りにならなそうとか、そういう事は全く考えても思ってもいないのだが、やはり人には向き不向きがある。

その点を考えてみると、出久君には少し重い気がしたのだ。実際、グループのリーダーとかした経験も無いようだし、なってしまった以上慣れていく他に無いだろう。

「でも飯田くんは委員長やりたかったんじゃないの?メガネだし!」

確かに。メガネかはともかくあんなに仕切っていたし、委員長を「聖職」と表していた事からも、余程なりたいと見える。それでも自分に票を入れなかったのは、彼の中にスポーツマンシップのようなものがあるからだろう。

『天哉君、凄く悔しがってたもんね』
「“やりたい”と相応しいか否かは別の話…」

「僕は僕の正しいと思える判断をしただけだ」
「「“僕”…!!」」

『(何故そこに反応したんだろう…)』
「ちょっと思ってたけど飯田くんて坊ちゃん!?」
「坊!!!……そう言われるのが嫌で一人称を変えていたのだが…」

一人称って中々変わらないからいずれボロが出ると思うけどね。

「ああ、俺の家は代々ヒーロー一家なんだ。俺はその次男だよ」

「「ええー凄ー!!!」」

代々ヒーロー一家とは…次男ということは、お兄さんはもうヒーローとして道を歩んでいるのだろうか。


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