第9章 初めての実践
「八雲がそんな物騒なもん、俺らに出すわけないだろ!ましてやクラスメイトだし」
「そ、それもそうだな…」
二人はどんどんビルの中へと進んで行く。
しかし、一向に見つからない。「核」も、暁も。
「おい、まずいぞ。このままだと時間切れ…」
《タイムアーップ!!そこまで!!》
「「えぇ!?」」
《敵チームの勝利!三人とも、モニタールームに戻って来て!講評するから!》
『二人ともお疲れ様〜!』
「「八雲!?」」
突如白い霧が晴れ、二人の背後から暁が現れる。
「お前、いつの間にそんな近くに…」
『いや、時間無くなってきたし、二人とも迷子になってるのかな〜って思って、様子見に来たの。そしたら案の定、迷子だったしね』
面白そうにクスクス笑う暁。その無邪気な笑顔は目の前にいる二人は疎(おろ)か、モニタールームにいるクラスメイトをノックアウトさせるには充分であった。
『?…何で顔赤いの?』
「い、いや…」
「何でもない!何でも!」
顔を背ける瀬呂と、何故か大慌てで否定する切島。
「〜っと、ほら!早く先生んとこ行こうぜ、八雲!」
『えっ、わわっ』
急に切島に手を引かれ、慌ててついて行く。後ろからはちゃんと瀬呂も追いついている。
『二人とも、何でそんなに慌ててるの?』
「「何でも!!」」
『余計分かんないよ!!』
__モニタールーム
「お前らァ…俺のダイナマイトと手を繋いでランデブーしやがって!」
「そうだぞ!しかもあんな可愛い顔を間近で見やがって!」
「いやいや、ちげーから!」
「そうだよ。別にお前らみたいな、やましいことは…」
「「問答無用!!」」
『…あの四人、止めた方がいいかな』
「放っておきましょう。お姉様が絡む必要性は無いと存じます」
『う、うん』
モニタールームに帰ってきた途端、何故か百に女性陣が集まっている所に連れていかれ、鋭児郎君と瀬呂君は上鳴君と峰田君に連行された。
「暁!あんな顔、絶対に二度と男の前でやっちゃ駄目だからね!」
「そうだよ!特にあのスケベ二人(上鳴と峰田)とかの前!」
『は、はい…』
三奈と響香に何故か説教をされて一段落つくと、話すタイミングを掴んだオールマイト先生が講評を始める。