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私の妖精アカデミア【更新停止中】

第7章 個性把握テスト


「お前の“個性”は戻した…ボール投げは二回、とっとと済ませな」

「指導を受けていたようだが」
「除籍宣告だろ」

やっぱり。緑谷君は力の調整がまだ出来ないみたい。
相澤先生は彼の事を「見込みゼロ」と考えているようだけど…

「…相澤先生の言うとおりだ」
「__⁉」

「これまで通りじゃヒーローになんてなれやしない。僕は人より何倍も頑張らないとダメなんだ」

彼から諦めなんて微塵も感じない。只管(ひたすら)前を向いて、自分の夢に向かって手を伸ばしている。
入試の時とはまた違う覚悟の姿だ。

「だから全力で!今、僕に出来ることを!!!」

_SMASH

「あの痛み…程じゃない」

一回目にボールを投げた時と入試の時、彼は力任せに個性を奮(ふる)っていた。自分の全力を上手くコントロール出来なかった為だろう。

『(人差し指が犠牲になってしまったけど…これだけでも、確実に進歩してる)』

「先生…!」
「まだ……動けます」

「こいつ……!」

出した記録は705,3m…爆豪君はたしか705,2m。
このメンバーの中で一番の記録だろう。

「やっとヒーローらしい記録出たよ_」
「指が腫れ上がっているぞ…入試の件と言い…おかしな個性だ……」

『…(なんとなく分かっちゃったんだけど)』

ずっと“声”を聞いていたので大方理解ができた。オールマイトの“個性”が代々受け継がれてきたもので、緑谷君は“ワン・フォー・オール”の継承者等など…なんという運命なのだろう。

『(元々“無個性”だったから、個性の事に慣れていないのも頷ける)』

「どーゆうことだ、こら、ワケ言えデクてめぇ‼」
「うわああ‼」

声がした方を見ると、爆豪君が緑谷君に詰め寄っている。エルザに突っかかる時のナツみたい…ってそんな事思ってる場合じゃない!

『ストップ。喧嘩は駄目だよ、緑谷君困ってるでしょ』
「あぁ⁉どけよクソモブが‼」
『緑谷君、手は大丈夫?痛そうだけど』
「え⁉い、いや、そそそんな…」
「無視してんじゃ__んぐぇ‼」

私に突っかかってきた爆豪君の後ろから包帯のような、けれど強靭そうな布が伸びてきて爆豪君に巻き付く。

「んぐ…んだこの布は…固ぇっ…‼」

これは…相澤先生の首付近を覆っていた布だ。どうやら相澤先生が爆豪君を止めてくれたらしい。
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