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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第9章 【桜色】カレカノ依存症


~Side轟~


形は違えどこいつも色々と背負ってる。
わかっちゃいたがそれでもこうも違うのか
それが一番の衝撃だった。

自分の“個性”を必要とされながら
否定され続けてきたようなモンだ。

そんな相反する状況を同時に目の当たりにする。
ガキの頭で簡単に飲み込めるモンじゃねぇ…。


『治癒だけじゃない』


その意味を理解して、コイツが抱き続けて来た恐怖にやっと触れられた気がする。
見ず知らずの他人の心配までしちまうようなコイツの事だ
助けてぇのに出来ねぇ…
“個性”どころか自分の個、そのものに恐怖してきただろう。


なのに…
“個性”の否定を恐れて来たこいつは
親父とその“個性”を否定して生きてきた俺の言葉を
どんな思いで受け止めてくれたんだろうか…
どんな思いで笑ってくれたんだろうか…

あの日の笑顔を思い出すだけで
こっちの身は切れそうなのに
ハイリは始終笑顔を絶やしはしねぇ。

それどころかガキみてぇにはしゃいで笑う。


(コイツは俺よりよっぽど強ぇ。)


抱いたのは憧れにも似た感情だ。

多分、何を言っても気休めにもならねぇ。
それでも何か返したかった。



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