第108章 【番外編】独り占め
繋心さんが毎朝畑仕事がある時期は、どうしても寂しい。
起きて隣にいないとなんとなく不安になる。
自分がその瞬間とても嫌で、すごく落ち込むのもある。
(重い…よね…)
特に私が休みの日は、そのまま朝いちゃいちゃしてから起きることが多いから余計に寂しく感じる。
自己嫌悪が余計にずっしりのしかかって、布団に戻って、わー……と声を小さく出した。
健気にいってらっしゃいと送り出せればどんなにいいか。
1日そのことを引きずってしまったので、その日の夜は寝る前にそのたくましい腰をぎゅーっと抱き締めた。
歯磨きしていて驚いたのか、びくっと肩を揺らしてから、
「どした?」
と気まずそうに聞かれた。
明日も早いから無理させたくないけど…と思いつつ、いつもの夜を思い出して胸がいっぱいになる。
「なんでもないですぅ……」
「仕方ねえなぁ」
支度を終えてから手を繋いでくれて、
「寝るまで甘やかしてやるよ」
と言ってお部屋に連れて行ってくれる。