第106章 【番外編】願い事
まるでおかわりを要求しているようで、とても恥ずかしい。
それでもただ、一心にこの愛情を受け止めたくて……。
そういえば…ここ…さっきの神社と同じ山だった。
──神様、どうか、どうか…私からこの人を永遠に繋ぎとめてください……。
出来ることなら、来世もその先の未来も……。
意識を手放しながら、ゆっくりそんなことを思う。
夜の虫の声が遠のいているように思う。
あたたかい広いところでふわふわと揺られて……。
起きたら、繋心さんにおんぶされていた。
「わ!す、すみません…!!」
「起きたか?」
「わ…私重たいので…!おろしてください…!!」
「大丈夫」
バランスを崩しそうになり、慌てて捕まる。
幸せでどきどきで、申し訳無さもあるけど嬉しくて。
ぎゅっと強く捕まる。
「好きです…!!」
「知ってる」
おうちに帰ると、居間にお赤飯のおにぎりが用意されていて、なんとも居た堪れない気持ちになった。