第104章 【番外編】美味しい愛
「やっぱり口でスるのやだよねー!」
女の子の友人たちがそれにうんうんと頷く。
大学生ともなるとやはり恋人との触れ合いの話にどうしてもなるようだ。
「顎痛いし気持ち悪くなるよね…」
と盛り上がっている。
「るるちゃんのとこは?やっぱりシてる?」
「ええっと……」
濁そうと考えたが特に思いつかない。
「前はあったけど今はあんまり……」
思い返すと私の過去を知ってから、繋心さんは気を遣ってなのか避けるようになった。
私としては別に、ただの日常だったのでそこまで気にしていないのに。
優しいんだなと改めて思うときゅんとする。
「痛がるしこっちもしんどいし、どうしたらいいんだろうね?」
私は何も考えずに
「最初は優しく頭にちゅ、ちゅ、てして」
と手の動きをつけて口走る。
「なるべく根本を指を輪っかにして上下してあげてね、口に入れたら舌を形に沿ってなるべく吸い付くようにぴったりつけて…喉の奥少し手前に空間を作るようにするの。
上顎のざらざらしてるところに当ててあげたり、舌先で頭を割ってあげたり、苦しくなったら一旦お口から出して、舌をこうやって尖らせてね…」
説明していると段々空気が凍りついてくる。
「頭の隙間に差し込んで吸いながら舐めたり、裏の筋をキスしたりとかしてると、たまに苦しそうな反応するから、そこを探して………」
「ちょっと待って」
と言われてやっととんでもないことを言ってるのだとはっとする。
「やだ…ごめんなさい……」
恥ずかしくて顔を手で覆ってなんとかその場を逃げられないか考える。
(やっちゃった…嫌われないといいな……)
「誰にそんなこと教わったの!」
「今彼だったらだいぶヤバい、年上で10近く離れてるし…」
「うっ……」
何も言えないでいるとどんどん場の空気が凍っていく。