第103章 【番外編】嫉妬より深い
目が覚めると夜も更けていて、窓からは少し明かりが減った夜景が見えた。
改めていいお部屋なんだな、と思ってしまった。
喉が少し痛い。
水を取ろうと立ち上がると、すぐにあった鏡と目が合う。
全身に赤い痣が付いていて少し恥ずかしい。
手近にあったタオルを羽織って冷蔵庫のお水をいただいた。
足にまだ力が戻らない。
フラフラしながらまたふかふかのベッドに戻り横になる。
「起きたのか」
お風呂に入っていたのか、少し濡れた髪のまま、隣に座ってくれる。
「はい…」
さっきのことを思い出すとまた下腹部がじくじくとしてくる。
我ながら欲深くて少し呆れる。
せめて肌を感じていたいと、着ているシャツを脱がせてそこにくっつく。
「っ、おい」
「し、しなくていいので、このまま、お願い…」
温かい肌にしがみついて頬を寄せる。
思った以上に、私は不安だったようだ。
しょうがねえな、と低く言われ、泣きそうになる。
優しく覆いかぶされて、優しく触れるだけのキスをたくさんしてもらう。
「繋心さん、好きです…」
「もう一発やりたくなるだろ…!」
照れたようにそう言われ、いいですよ、と短く返事した。
蕩けてしまいそうなほど深い一夜で、そんな中見える高層階からの朝日が少し眩しかった。