第102章 【番外編】ご褒美
もう夜中だった。
ご飯も食べていないけれど、綺麗にしてもらっていたようでとてもさっぱりしている。
「起きたか」
と甘く声を掛けられ、小さく頷いた。
「こんなので、良かったですか?」
と聞いたら、なにが、と返されてしまった。
ご褒美、と言っていたのは本人じゃなかったことを思い出して恥ずかしくなった。
「えっと……頑張ったご褒美です……」
自分で言うのは更に恥ずかしい。
優しく頭を撫でられ、最高、とお返事をもらえた。
もうすっかり元気な繋心さんですごく安心した。
こちらから軽いキスをすると、少し恥ずかしそうに受け入れてくれる。
「そうだ、忘れてた」
繋心さんは思い出したようにカバンを開けて、おみやげ、と何かを渡してくれる。
「Tシャツ?」
「色違いの…そろいで…買った…」
と何故か照れながら言われ、こちらも急に恥ずかしくなる。
「わ、わ、嬉しい……」
「外では…一緒に着るなよ…!」
「じゃあ…おうちでならいいですか?」
「親…いない日なら…」
「着るタイミングないじゃないですか!」