第2章 NEW FACE
時雨たちは空き教室に入り、輪を作って それを囲んでいた。
「単刀直入に聞く。あの"サラ"という教師は何者だ?」
キッドからの問いに時雨も椿も首を傾げた。「何者だ?」と聞かれても、他ならない見たままの保健医である。
「あの二人が無事だったのは、アイツの仕業だ」
「……え!?」
「どういう事? 魂の反応は、あの場にいた人だけだったよ?」
「どうやって魂を感知されないようにしたかは分からんが……地中からアイツは出てきて、攻撃を受ける前に、自分が出てきた その穴へ二人を引き摺り込んだ」
サラは体を張ってまで、二人に怪我をさせたくなかったのだろうか……。
「それと、俺たちが保健室を出るとき、こう言われた。【また二人を傷付けたら許さない。……"優秀"な二人なんだから】と」
「……優秀とは少し違うけど……。ブラック☆スターは、やれば出来る子です」
「火ノ丸も優秀とは言い難いかもね」
「これでハッキリした。やはり、アイツが何者なのか調べておく必要がありそうだ。リズ・パディ、行くぞ」
「アイアイサー!!!!」
「じゃ、あたしたちはこれで。またな、お二人さん」
キッドたちは、せかせかと教室を出ていった。
「……サラ先生も気になるけど、ブラック☆スターたちも気になるね」
「うん……。何も起こらなきゃいいけど……」