第2章 NEW FACE
「あ……ブラック☆スターの目が……」
「瞳の中に……星!?」
「ブラック☆スターは、暗殺を生業とした星一族の末裔で……。あのままじゃ……ブラック☆スターは……」
その先は聞かずとも分かった。時雨も"鬼"と化した人間を見たことがあるからだ。
火ノ丸は左側の鎖骨から胸元にかけて服が燃えたように無くなっていた。浮き上がった漆黒の太陽。禍々しいそれは時折、赤く形を縁取るように燃えていた。
「何なんだ……コイツらは……」
異様な気に圧され、キッドは無意識のうちに後ろへ足を引いていた。
── ガサガサ……
地に伸びている建物の影が揺れ、ニョキッと不気味な真っ白の逆さ三日月の目をした仮面が誰にも気づかれることもなく、地から静かに浮かび上がった。
「おぉ! ついに、鍵は開かれた……。我は待ちわびた、この時を!! 星と太陽が交わるとき、天の閉ざされた扉が開く……。ククク……この"先"が楽しみだ」
影は元に戻り、仮面も漆黒の中へ姿を消した。