第2章 NEW FACE
強力な二人の魂の波長。その場にようやく時雨と椿は現場に到着した。
「何だろう……何か嫌な気が……」
「……え?」
椿に時雨が告げた瞬間、ブラック☆スターと火ノ丸の叫び声が耳を襲う。それは不協和音のように重なり合い、辺りに響き渡った。
「う……うわぁあぁあぁ!!!!」
左目を手で押さえ、そのままブラック☆スターは地に跪(ひざまず)いた。
「はー……はー……はー……」
火ノ丸は人の姿のまま、鎖骨辺りを押さえ、身を屈めている。
苦しそうな息づかいのまま、再び立ち上がるブラック☆スター。二人に何かが起こっているのは確かだが、明確な事は全く分からない……。
ただ……魂の波長は人の域を越えている。それでなのか、二人からメラメラと立ち上る陽炎。