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甘い貴方を見つけるまで【佐藤流司】裏

第7章 Sugar7


仕事も終わり、家に帰る。


流司さん、帰って来てるかな・・・。


私とお話してくれるかな・・・。


「ただいまー。」


いつも通り、鍵を開けて中に入る。


部屋はまだ、暗いままだった。


流司さん、まだ帰って来てないんだ・・・。


「早く帰って来て・・・流司さん・・・。」


独り言が虚しく、静かな部屋に響いた。




あれから、どのくらい経っただろう。


なにもせず、ただソファーに座って、ぼーっとしていた。


玄関の方から、ガチャガチャと音がする。


帰って来た。


「は?電気も点けないでなにしてんの?」


彼のその言葉と共に、部屋が一気に明るくなった。


なんか自分自身も、明るくなった気がする。


てか、電気点けるの忘れてた。


彼の元へ走った。


「ごめんなさいっ!もうあんなこと言わないからっ・・・思わないからっ・・・許して・・・。」


彼に抱きつこうとして、一歩足を踏み出した。


すると、彼は一歩下がった。


「触ったら、エロいことするよ?そういう時だけ、甘くなるの、やなんでしょ?じゃあ、俺に触んないで。」


彼の冷たい言葉が、心に突き刺さった。


違う。

もう、そんなこと思ってないから・・・。

流司さんが私の全部、愛してくれてるの、わかってるから・・・。


甘くなくていい。

それでも、貴方の愛を感じてるから。


「いっぱい、えっちなことして?流司さんが満足するまで・・・。」


私は、貴方に触れたい。


触れようと手を伸ばしたけど、彼はそれから逃れるように、ソファーに座った。


「離す気なんて、なかったんじゃないの・・・?」


私の方に振り返り、ソファーをポンポンと叩く。


座れって、合図だと思う。


ソファーの前まで行くと、腕を引かれてキスをされる。


突然のことで、目を閉じることも出来ない。


「ごめん、もう怒ってないから、そんな顔すんな。」


「え・・・もう、流司さんのばかぁ・・・!」


彼の笑った顔を見て、安心して、涙が溢れてくる。


彼の胸をポンポン叩いて、泣きながら、バカバカと繰り返す。


「ごめんって。でも、あれはまじで、傷付いた。」


「ごめんなさい・・・。」


彼の目を見て謝る。


笑顔で私を見てくれる。


また、その顔見れるんだね。








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