第18章 〜闇の力〜
『そんな声で鳴かれたら、止まんなくなっちゃうよ?』
ズンッ!……私の中で激しく波打つのが分かった。
ゆっくりカラダを起こし、口づける。
次の瞬間、
グサッ……。ゆらり…カルマのカラダが傾く。
『ククククク……ハハハハハッ!!!
愉快だ…!楽しくてたまらない!愛しい女を抱いた後に殺される気分はどうだぁ?』
『…さいっあくの気分だね!』
『何っ?きさまッ!何故動ける?』
『まぁの様子がおかしいのは、来た瞬間に分かってたよ…。だけど、あんまりにも可愛かったからさ、そのまま流されてもいいかなって思ってね。』
『きさま…。』
『その様子だと、浅野君は、まんまと騙されて、今頃、ピンチなんだろうね…。
さて、俺の大切な人のカラダ、返してもらおうか!』
『ふっ…この娘は今や我と1つ。
我を殺せば、こいつも死ぬ。おまえにそれができるのか?』
『クッ…!』
『さぁ、我の闇の一部となれ…!』
まぁがカルマめがけて闇の劔を振りおろす。
『その必要はありません…。』
『なにっ?』
『ホーリープリズンサイクロン』
うギャァ…!
『カルマ!』
『カルマ君!無事ですか?』
『みんな…コロ先生。』
『きさま…法王か…。フッ。だが、こやつは、血の繋がりはなくとも、娘なのだろう?きさまとて、父親…娘の命はやれぬだろう。』
『まぁ…』
『浅野君、生きてたんだ。』
『当たり前だ!この程度、かすり傷だ。』
『先ほど女神カラナからのご神託がありました。
彼女、まぁの粛清が決定しました。ただ、闇の力とカラナの力を引き離す必要がある。それまで彼女はこちらで預かります』
『おのれ……。』
バサッ…。闇を封じる呪印を額に施されたまぁが、法王の腕の中におさまる。
『まぁをどうする気だ!』
『粛清って、まさか…!』
『仕方ありません。この世界を統べる女神の決定は、誰にも覆すことはできない。近いうちに、彼女は、この世からいなくなります。』