第7章 派生③おそ松&チョロ松END
一松さんに監禁された。
監禁直後の大ざっぱな流れは、本編第3章と共通なので、読んでなかったらそこらへん軽く読むか、適当に脳内補完をして下さい。
この後の展開は200ページ目からの派生で――。
……は! わ、私何か言いましたか!?
コホン。
…………
…………
まあ、理由は山ほど思いつく。
恋人を寝取ったクズ兄たちへの復讐。もしくは単なる独占欲。
手段が強引だったことは否めないけど、私は受け入れることにした。
長男&三男から引き離されホッとした反面、私の胸中は複雑だった。
兄たち&恋人の裏切りを受け、一松さんの精神は病みに病んでいたからだ。
生活に問題無いとはいえ、拘束されたり外出禁止だったり逃げようとして報復を受けたり、トイレに閉じ込められたりというのはこたえた。
結局のところ、一松さんと私の関係も変容していたのだ。
それでもそんな状況に少しずつ慣れ始めていた頃。
…………。
閉じ込められていた私の元にスマホが届けられた。
私は一松さんがいない隙を見計らって電話アイコンを押す。
登録された番号は、カラ松さん? 十四松さん? トド松さん?
声が聞きたい。会いたい……!
スマホから、泣きそうになるくらい懐かしい呼び出し音が響く。
そして、ついに着信画面に切り替わった。
『…………』
向こうはしゃべらない。
誰がかけてきたか、警戒してるんだろう。
返答しない相手に、私はすぐ呼びかけた。
「松奈、松奈です! 私、松奈です!」
『……松奈っ!?』
そう答えたのは――。
「え? おそ松さん……!?」
『そうだよ。もう大丈夫だからな! それで今――』
私は無言で電話を切り、速攻で『着信拒否』登録する。
そして電源を切ってスマホをゴミ箱に放り、フタを閉めて上に段ボールで重しをする。
ドックンドックン鳴りやがる心臓を押さえた。
今のは幻聴、今のは幻聴、今のは幻聴っ!!
「どうしたの。松奈」
包丁を持った一松さんがドアを開けてきた。
目の下のクマがハンパない。かなりヤツれて精神的にキテる感じである。
「いや、死ぬほど聞きたくない声が聞こえたんで、元凶を破壊しました!!」