第7章 派生③おそ松&チョロ松END
一方チョロ松さんは、達したせいでやっと我に返ったようだ。
「だ、大丈夫? ごめんね。このティッシュに出して」
私の口からずるりとご自分のモノを引き抜いた。
そして軽く処理を終えると、私の頭を撫でてくる。
「すごく良かったよ、松奈」
おそ松さんはへたばる私にしがみついたまま、全体重をかけ、
「大好き~。愛してる~」
「……うるさい」
私は負のオーラを燃やすのであった。
半時間後。
「まあまあ、妹さんはお疲れですか?」
と、料理を運んできた従業員さん。
「そうなんですよ。長時間ドライブがきつかったみたいで」
「身体が弱い子なんで、どうしても温泉に連れてきてやりたかったんです」
「まあ、妹さん思いなんですね」
『良いお兄さん達』を演じるクズ二人には殺意しかない。
私は敷かれた布団の中でぐったりしながら、温泉旅館殺人計画を練るのであった。
そして従業員さんが去った後、おそ松さんたちはすぐクズに戻る。
「松奈ー。ほら、お酌して、お酌!」
「寝ちゃダメだよ。まだこれからだから。分かってる?」
「死ねっ!!」
耐えきれずに叫んだ私であった。
…………
…………
旅館について早々、二人にヤラれた。
そしてその後、布団から追い出されるように、二人によって起こされた。
チョロ松さんが、
「ほら松奈、せっかくの料理が冷めちゃうよ」
「疲れてるって言ってんでしょうがっ!!」
キレてチョロ松さんに蹴りを入れてると、
「食べないと体力が持たないぞー」
おそ松さんに布団をはがされる。一見、私のことを心配しているようだが、実は自分らの欲望の心配しかしていない。
身体を丸めてムクれていると、チョロ松さんが声色を変え、
「松奈~。刺身の盛り合わせが美味しいよ? こっちは地元特産野菜の天ぷらだって」
…………。
い、いやいやいやっ! 料理につられたりしないもん!
ぐー。
しまった。お腹が鳴った。
むろん、腹の虫を聞き逃すクズどもではなかった。
「食べないなら、俺たちで食べちゃおうぜ、チョロ松」
「だね。食欲がないのに無理強いするのも可哀想だし。おそ松兄さん、伊勢エビ取って」
「食べりゃあいいんでしょ、食べりゃっ!!」
ブチキレた私の声が、畳の間に響いたのであった……。