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【松】六人の兄さんと過ごした三ヶ月

第7章 派生③おそ松&チョロ松END



「ありがとうございます、チョロ松さん」

 私はスパコン並みの判断力で、ギャルゲーのごとき媚び媚びの笑顔を作る。
 そして恋人よろしくチョロ松さんの腕を取った。チョロ松さんはすぐ、やに下がった笑顔になり、

「こら。兄二人と妹ってことで部屋を取ったのに、これじゃ恋人に見えちゃうだろ?」
「いいじゃないですか。私は見えても嫌じゃないですよ?」
 とニコニコ。すると後ろから不機嫌そうな声が、

「おい、チョロ松。俺を置いてイチャついてんじゃねえよ」
 私の肩を引き寄せ、チョロ松さんから引きはがす。チョロ松さんは冷たく、
「はあ? ドライブで疲れた女の子を気遣って何が悪いの?
 おそ松兄さんこそ、自分勝手すぎ。松奈にもう少し優しくしたら?」

「毎度毎度、ゲスいことしてるチョロ松君が言いますかねえ?」
 おお、二人の間に火花が散っている!

 どうもおそ松さんは長兄ゆえか『自分が一番』という意識がある模様。
 なのに私が、おそ松さんを差し置いてチョロ松さんと仲良くするので、面白くないみたい。
 私はそれを承知の上で、二人の男を天秤にかける。

 美少女小悪魔松奈!
 ヤバい。小悪魔キャラ、私にぴったりすぎてハマりそう!

「……分かったよ。じゃあ先に一緒に温泉に入るのは兄さんに譲るから。
 でも浴衣(ゆかた)のときは俺が先がいいな」

「分かりましたー。あとお酌も俺からね。
 松奈。そういうことだから、分かった?」

「分かり……ました……」

 さらば。一瞬にして終わった小悪魔タイム。

 …………

 温泉旅館は入ってみると意外に悪くなかった。

 案内された部屋は、なかなか広い和室だった。
 どうやら穴場的なところを偶然予約出来たっぽい。

 個室付きの露天風呂からは美しい深緑の森を見下ろせる。
 ひのきの良い匂いに心がほっこり。
 私の機嫌もちょっぴり上向きになり、和室に戻ると、畳の上に寝転んで窓から見える景色を楽しんだ。

 ……が、私の機嫌はすぐ悪くなる。
 おそ松さんも横に寝転んだかと思うと、私をハグし、

「松奈ー。それじゃあそろそろ、やろっか!」

 やるかっ!!

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