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【松】六人の兄さんと過ごした三ヶ月

第7章 派生③おそ松&チョロ松END



「じゃあ、許してあげる。チョロ松も、年下に遊ばれてどうすんだよ」
「ごめん。おそ松兄さん。これから気をつけるよ」
「よっし! じゃあ三人でラーメンを食べに行こうぜ!」
 おそ松さんに言われ、私たちは車を降りる。

 おそ松さんの後をとぼとぼとついて行きながら、私は敗北感にうなだれる。
 一方、私の隣に並んだチョロ松さんはやれやれ、と肩を落とし、私に小さく、

「ホントにおそ松兄さんって、自分勝手すぎてかける言葉がないよね」

 私は、あなたにもかける言葉がありませんが。

 ていうかこれ、いつぞやの夜と同じ流れのような……。

 …………

 そして夕方前、どうにか目的地についた。

「うーわー」

 私は旅行用バッグ片手に、陰鬱なまなざし。
 着いちゃったなあ。目の前にはおんぼろ旅館。後ろには駐車場。
「おそ松兄さん。日帰り旅行じゃ無いんだから、もっと色々持ってこないとダメじゃないか」

 チョロ松さんが、トランクからバッグを下ろしながら小言を言っている。

「えー。こっちで買えばいいじゃん」
「金銭感覚がないよなあ。家から持ってきたらタダだったのに……」
 これだから気分屋は、とブツブツ。

 一方、私はくらーい気分でいる。
 旅館が古い、暗そう、ひとけが無いと三重苦。
 瓦屋根の上でカラスがカアカア鳴いてるし。
 嫌な予感しかしない。そう思っていると、おそ松さんが来て、
「客も少なそうだし、これなら多少暴れられても、人が来なさそうだよな!」
「私の肩を抱きながら、笑顔で犯罪予告をしないで下さい」
「あー、もう。楽しみすぎ! 松奈のアレとかコレとか!」

 旅行でテンションが上がったのか私を抱きしめ、嬉しそう。
「どのAVを脳内再生されてるかは存じませんが、やりませんからね?」
 私は嫌がって身体を離す。

「松奈ーかまってー」
「離れて下さい、変態!」
 こりずにお尻を触ろうとするおそ松さんをバッグで叩こうとしてると、チョロ松さんが、

「松奈、荷物を持ってあげるよ」
 サッと重いバッグを持ってくれた。

「……っ!」

 いかん。クズと分かっているのに、チョロ松さんへの好感度が0.02ポイントも急上昇!

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