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【松】六人の兄さんと過ごした三ヶ月

第7章 派生③おそ松&チョロ松END



 そして翌日。私とおそ松さん、そして……。
『未成年とお泊まり旅行なんて!! 間違いがないよう俺が見張る!!』

 という名目の下、チョロ松さんも車に乗り込んだ。
 一松さん? 窓から寂しげに私たちを見送っていた。

 私の罪悪感もMAXに振り切れた。

 これ以上にない、最悪な旅立ちであった。
 
 …………

「よし、ついたついた」
 サービスエリアは接続のいい場所だったようで、そこそこの賑わいだった。
 おそ松さんは運転席の窓から顔を出し、うんざり顔。
「うわあ、やっぱ昼だと混んでるなあ。むさいオッサンばっかだ」
 ちゃんと働いている配送のお兄さんたちに謝れ!
「フードコートも並んじゃいそうだね。何か買って車で食べる?」
「えー、俺、ラーメン食いたい!」
「松奈は?」
「えと、私は重い物はちょっと」

 車に長時間揺られた後で、お腹にたまりそうなものはなあ。

「松奈は車で食べたいってさ。おそ松兄さん、何か買ってきてよ」
「言ってねえし! 何で俺がおまえのパシリになるんだよ!!」

 二人がぎゃあぎゃあ言っている間、私は額に汗して策を練る。 

 どうする、どうする? ねえ、どうするの?
 馬鹿正直に、このまま六つ子公認の温泉旅行に行っちゃうの?
 
 一松さんとの復縁は、もう望めないってか、望むのもおこがましい。
 問題は、私が元の世界に戻ることだ。

 少なくともこの二人と縁が切れない限り、私は就活、いや帰還活が出来ねえ。
 でもどうにか別れようにも、二人で組まれると巧妙に阻止される。

 何で二人にそこまで執着されるのか。何せ働く気のないニート二名だ。

『この子を逃がしたら次の恋人は絶望的。最悪、一生S○X出来ないかも』

 という恐怖が彼らの外道的ふるまいの根幹にある。
 げに恐ろしきは雄の性欲。

 兄弟から奪うことも、兄弟と共有することもいとわない。
 マジで怖ぇ。サイコパス長男三男。キング・オブ・クズ。

 考えろ、考えろ。
 このままじゃ、複数の恋人と異常な関係のまま、元彼と同じ屋根の下に住み続ける
という胃が溶けるBAD ENDしか待ってない!!
 遅いかもしれないけど動かねば。しかしクズのタッグに、家無し職無し住民票保険証学生証何も無しの小娘が、どう立ち向かう。


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