第4章 初めての感情
菊丸は顔を下に下げたまま不二に言った。
不二:「ん?なんだい?」
不二は目を大きく見開いた。
菊丸:「不二ってさ……羅夢音っちのこと……好きなの?」
聞いちゃった、と菊丸は思った。
不二:「え……。僕が、羅夢音ちゃんのことを?」
不二は少しの間固まっていた。予想外の菊丸の言葉に驚いていた。
菊丸:「……違うの?」
菊丸は信じられないとばかりに不二を見た。
不二:「そんなこと聞かれても……僕、好きってどういう気持ちかわからないんだよね……。」
そう言って不二はそっぽを向いた。
(別に、羅夢音ちゃんが嫌いな訳じゃないけど。)
そんな風に言っているように見えた。
……僕、羅夢音ちゃんのこと、好きなのかな……