第4章 初めての感情
「それでは、今から不二先輩と菊丸先輩の試合を始めます。審判および見学は延各がやらせていただきます。お二人とも、無理だけはしないでくださいね?」
「分かってる。でも、試合は試合だからね~。手は抜かないよ~!」
菊丸は羅夢音の言葉に笑顔で返した。
「うん。僕も、英二の言葉とそっくり羅夢音に返そうかな。」
不二も笑顔で返した。しかし、その笑顔には、
いつもの優しさは見えなかった。
「試合を開始します。サーブは、不二先輩からお願いしますね。」
羅夢音は笑顔で不二にボールを渡した。
「ん……///あ、あぁ。ありがとう。」
(あれ……?今、僕……羅夢音ちゃんを見て……胸が痛い……?)
不二は難しい顔をしてうつむいた。
「不二先輩……///?どうかしましたか?」
羅夢音が不二を心配そうな顔で見つめた。
「え?あ、いや……何でもないよ。」
不二は険しい顔で応えた。
「そうですか……。よかったです。頑張って下さいね(ニッコリ)」
「(ドキッ)あぁ……///。」